製作例
まず下の写真が完成の図です。
回路図
LapRecorder 2000を動かすパソコンのプリンター(パラレル)ポートにつなげるインターフェースボードです。LapRecorder2000のヘルプについている回路図を参考に、逆流防止用ダイオードや、LEDなどを追加してみました。
プリント基板
専用基板をつくりました。約10cmx2.5cmの大きさです。ソルダーマスクは赤にしてみました。
シルクスクリーン拡大
部品表
部品表と価格 (価格は予想価格)
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パーツ
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名称
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価格
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備考
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1
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C1
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470uF 25V以上
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50
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電源電圧が電源よりも十分大きいこと。 極性あり
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2
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CN1
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Stopボタン用コネクタ
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100
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2Pinのコネクタ。STOPボタンの信号を取り出してケースに配線する場合に使う。 JAEのILシリーズがベストフィット
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3
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CN2
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Startボタン用コネクタ
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100
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STARTボタンの配線を取り出すときに使う。
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4
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D4-D6
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100V 1A程度
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30
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整流用ダイオードで耐圧が100V以上ならばなんでもOK。極性あり
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5
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IC1-IC2
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TLP621
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100
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フォトカプラーでピンさえあえば、だいたい何でもOK.TLP621-2のように2個入りも便利 (極性あり) 。秋月で5個パックが100円で売っている(2006年9月現在)
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6
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D3
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パワーインジケーターLED
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50
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電源モニター用
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7
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D1
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STARTセンサー用LED
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50
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色と明るさは好みによる。10mA程度流せるもの。極性あり
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8
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D2
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STOPセンサー用LED
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50
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9
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Power1
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DCジャック
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30
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秋月など(外がマイナス)
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10
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R1-R3
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抵抗 1K-1.5KΩ
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30
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電源電圧が高い場合は抵抗を大きめにする。だいたい電源をつないで10mA程度流れるぐらいの抵抗にする。
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11
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S1
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STOPスイッチ
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20
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タクトスイッチ。秋月か千石
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12
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S2
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STARTスイッチ
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20
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タクトスイッチ。秋月か千石
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13
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Sensor1
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STOPセンサーコネクタ
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400
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基板用が200円、ケーブル用が200円ぐらい。XN2コネクタ
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14
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Sensor2
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STARTセンサーコネクタ
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400
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XNコネクターはコンパクトで便利だが、耐久力が高くないので、基板ー>ケース間の配線用のコネクターとし、ケースの外部へはマイクコネクターなどで接続すること。
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15
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D-Sub
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D-Sub25Pinコネクタ(メス)
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60
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秋月でうまく見つかれば60円ぐらい。みつからなくて、まともに買うと600前後する。
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合計
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1490円ぐらい
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センサー
http://www.fa.omron.co.jp/product/detail/408/index_p.html E3G-R13がいいと思う。リレー式は極性がなくて便利だけれども、寿命があるし反応鈍いのでトランジスター式がおすすめ。またカタログ的には検出距離10M、ケーブル長最大100MまでOKなのがすばらしい。
1台8,900円 +消費税 (2台必要)
オムロン24でコネクター(XN2)と一緒に購入するといいと思う。
作り方Step by Step
とくに取り付ける順番に決まりはなく、どれからつけても問題はないのですが、背の低いものからつけていくとやりやすい。
抵抗・ダイオードの取り付け
まず抵抗R1-R3までと、ダイオードD4-D6を取り付けます。
ダイオードは極性があるので注意してください。四角いランドになっているほうがカソードです。あるいは、シルクスクリーンに縦棒があるほうに、ダイオードの縦棒(縦じま)をあわせます。
また抵抗は1%の高級品をつかっていますが、これはたまたま手元にあったからつかっているだけで、5%品でまったく問題はないです。
フォトカプラーの取り付け
つづいてフォトカプラーを取り付けます。極性があるので注意します。ICに書いてある丸印と基板上の丸印の位置をあわせて1番ピンをそろえます。1番ピンは四角いランドになっています。
タクトスイッチの取り付け
次に背が低い部品はタクトスイッチですタクトスイッチを取り付けましょう。
電源コネクターの取り付け
つぎに電源コネクターを取り付けます。ちょっと穴が大きめに開いているのでコツがいります。
まず最初に1箇所かるく仮止めします。
この状態で位置をあわせ、ほかの2ピンもふくめて穴がうまるように一気に半田を流し込みます。あまり流し込みすぎると垂れたりして危険なので注意してください。
LEDの取り付け
LEDには極性があるので注意してください。足の長いほうがアノード(A)で短いほうがカソード(K)です。シルク上にA,Kとかいてありますのであわせてください。3つのLEDはどれも同じ方向で取り付けます。
センサー用コネクターの取り付け
センサーへの接続はコネクターをつかうと便利です。ちょっと高いですが、XN2コネクターを使います。コネクターの横にピン番号が書いてますので、基板とあわせます。オムロンのXN2コネクターならば、シルクの白い枠にコネクターをあわせるように挿入するとピン番号はばっちし合うようになります。
コンデンサーの取り付け
電解コンデンサーを取り付けます。極性があるので注意してください。
電解コンデンサーはだいたいマイナス側に印がついているので、これを目印に基板の+-にあわせて部品をつけます。
写真は極性がわかるようにうかした状態で写真をとっていますが、もちろん、最後まで挿入して半田付けします。
D-Subコネクターのとりつけ
最後にD-Subコネクターを取り付けるとボードは完成です。
今回は、動作には影響がないので、CN1,CN2コネクターを取り付けていませんが、ケースにいれてケースに外部スイッチをつなげるときにはこのコネクター用の穴を利用してください。
また、K1,3,4,5は拡張用接続用の穴です。
センサーの調整
今回利用しているセンサー E3G-R13は、通常時にONにするかOFFにするかなどの設定が行えます。工場出荷時では今回の回路には適合しないのでふたを開けてスイッチを調整します。
具体的には、
- PNP/NPNの選択をNPN側にする
- L-ON/D-ONの選択をD-ON(遮断時ON)にする
という設定をします。
センサーにコネクターを接続する。
コネクターは
1 電源(+10V-15V) 茶
2 空き
3 センサー出力 黒
4 電源(0V) 青
となっています。
色を合わせてコネクターに接続します。3Mの圧着コネクターhttp://www.omron24.co.jp/Catalog/JP10/10_0549-0550.pdfが被服を剥かずにそのまま挿入してペンチでかしめればOKで便利です。オムロンの光電センサーE3Gのコードには、線径1.2-1.6mmのタイプがベストフィットな感じです。
テスト
これまででインターフェースボードは完成です。だいたいここまでで写真を撮りながらで1時間程度でした。部品さえ揃っていれば、普通に電子工作ができる人ならば15-30分程度で完成するでしょう。
ボードが完成したら次はテストを行います。
電源のテスト
電源を入れてパイロットランプになっているD1が点灯することを確認します。
点灯しない場合、半田付け不良のほかに、D6、D1の極性を間違えて実装している可能性があります。
ストップボタンのチェック
SW1を押して、D2が点灯することを確認します。
うまくいかない場合は、D2やIC1の極性が間違っていることが疑われます。
スタートボタンのチェック
SW2を押してD3が点灯することを確認します。
うまくいかない場合は、D3やIC2の極性が間違っていることが疑われます。
光電管をつけてのチェック
光電センサーをつなげて、スタート&ストップのLEDがセンサーにあわせて点灯するか確認します。
ここまで確認できればほぼ問題なく完成です。つぎにソフトウエアをインストールして確認します。
LapRecorder2000のインストール
http://www.aurora.dti.ne.jp/~honeybee/Laboratory/LapRecorder/LapRecorder.html このページから最新版をダウンロードしてインストールします。
PCとインターフェースボードの接続
D-Sub25ピン 全線結線タイプのケーブルでPCのプリンターポートとインターフェースボードのD-Subコネクタを接続します。D-Subのコネクターは、最近はインチねじのものが多いですが、昔のPC98などの232Cとしてつかわれていた時代はミリねじだったので、インチねじ、ミリねじの2つが売っていますのでよく確認してから購入するとよいでしょう。メーカー品だとはじめから2つのねじがついていることが多いようです。
ソフトウエアとの連動テスト
LapRecorder2000を起動し、「開始」ボタンを押して測定モードに入ります。続いて、SW2を押して計測がスタートすればOKです。SW1で計測がとまればテストは100%完了です。
センサーについて
http://www.fa.omron.co.jp/product/detail/408/index_p.html 今回利用したセンサーはE3G-R13というものです。実際につかってみた感じでは、8月の晴天時で一日に1回のミスがあった程度でほとんど問題なく動作するようです。
この写真では、光電管システム自体はLapRecorderではなくて、H8でつくったバージョンのものですが、センサーは同じものを利用しています。なんとなく、夏のキツイ太陽がギラギラしているのがわかると思います。おそらく仕様上はちょっと限界超えていると思いますが、実用上は(ひさしとかつけなくても)OKみたいです。
しかしさらに信頼性をあげるために以下のFAQを読んで対応しておくとよいでしょう。
ひさしをつけるとよい。http://www.fa.omron.co.jp/support/faq/detail/faq00428.html センサー面は1万ルクス以下にしなくてはいけない。1万ルクスはだいたい屋外の日陰ぐらいを指すらしいので、センサーにひさしをつけておくとより安定することが期待できる。スキーに応用するひとがいるかどうかわからないけれど、スキー場は10万ルクスあるらしいので、たぶん、ひさしをつけることは必須になってくると思う。
検出しづらい物質について。http://www.fa.omron.co.jp/support/faq/detail/faq03192.html まあ、車とかバイクならば、タイヤというものがあるのでおそらく問題になることはないでしょう。
センサーについてジムクォーツ社がいっていること
ジムクォーツ社のページhttp://www.kt.rim.or.jp/~jim/timing.htmによれば、
前述A社は制御機器メーカーO社の光電スイッチを黄色のケースに入れて法外な価格で販売しているが、元々駐車場の出入り口で車を検出したり、コンベア上の製品をカウントする目的で設計されているため、信号の遅延と外乱光に対する許容度で残念ながら当社の基準に合格できなかった。頑張って欲しい。
ということらしい。O社というのはまさに今回利用したオムロンのセンサーのことを言っているのだと思う。
仕様上に記述されている範囲では、太陽光があたると誤動作する可能性があることをオムロンは説明している。これはジムクオーツの説明に一致している。おそらく、ジムクオーツと同様なケースにいれてセンサーに直射日光があたらないようにする必要があるのだろう。
一方、信号の遅延はトランジスタータイプで1ms以下であり、スタートとゴールで同じセンサーをつかえば相殺されるので誤差は1msよりもさらに短くなるはずだが、これは何をさしているのかちょっとわからない。もしかしたらリレータイプ(30msの遅延あり)を指しているのかもしれない。
ストロボの外乱光については、今度実験してためしてみようと思う。いまいち、直流アンプとノイズにたいする耐性の関係がよくわからないのだけれども、まあ、今回つくったものとは価格レンジが違うので比べることができないということなのだろう。
と書きつつ、カズプランのページ http://www.katch.ne.jp/~kazuplan/sct-index.html をみてみると、なんと、
ジムクオーツの最大の弱点は、反射板が立派すぎて日光の影響を受けやすいことがある。よく全日本戦に行くと光電管を覆うように、カバーが取り付けられたりしているが、単なる風よけだけでなく反射板に日光の影響を受けないようにする役目も果たしている。それともう1つ、光電管の2度切りもジムクオーツの弱点である。今までの私の経験では、Dクラスのマシンに多く見られる現象で、スタートして光電管が2度反応してしまい、まだゴールしていない前走車のタイムを止めてしまうトラブルである。但しこちらは機械的な対策が8年ほど前に為された。
こんなことが書かれている。言っていることは立派だけど、駄目じゃんジムクォーツ。頑張って欲しい。
ともあれ、今回つくった光電管システムでは、直射日光に対しては仕様上はなんらかの対策をしておいたほうがよさそう、ということと、計測ミスのときの対策について(再計測なのか手動計測なのか)を明確にしておくということはジムクオーツの指摘のとおり重要だろう。
基板の配布について
また、基板を大量につくってしまったので予価1000円ぐらいで配布することを考えています。(基板のみ。部品やマニュアルはなし。このページが唯一のマニュアル)
また、人柱様(コメントをくれたり、自分のHPに製作記事を載せてくれる人)を募集する予定です。人柱様用配布価格は数量限定で0円の予定。
2007年3月6日現在まだ人柱募集中です。興味のある方は
yassアットマークtakibi.net
(スパムよけのため@を「アットマーク」とかいています)
までタイトルに「LapRecorder基板希望」とかいて発送先をお教えください。
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